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大理石の物語
【大理石の物語 41】壊れることで生まれた石、ブレッチア・オーロラとブレッチア・オニシアータ
「ブレッチア」という言葉は、イタリア語で「がれき」を意味する。 瓦礫。廃墟。崩れ落ちたもの。城壁の破れ目。これほど美しい石に、これほど無骨な名前がついているのには、理由がある。 壊れることが、始まりだった ブレッチアは、地球が暴力を振るうと... -
大理石の物語
【大理石の物語 40】蛇が這う石と、世界最古の海の法律、セルペジャンテという石
「蛇行する」という意味の名前を持つ石がある。 セルペジャンテ(Serpeggiante)。 イタリア語で「這う」「蛇行する」を意味するこの石は、クリーム色からベージュの地色に、暗褐色から黒の細い脈が横方向に走る。 その脈の動き方が、岩の上を這う蛇の鱗に... -
大理石の物語
【大理石の物語 39】「世界の驚異」が愛した土地の石、ズベボ・ロイヤル
この石の名前には、一人の皇帝の記憶が刻まれている。 ズベボ・ロイヤル(SVEVO ROYAL)日本ではこの名で知られる石の正式名はペルラート・スヴェヴォ(Perlato Svevo)。 イタリア南部プッリャ州バーリ県、ルーヴォ・ディ・プッリャの採石場から採れる黄... -
大理石の物語
【大理石の物語 38】ローマ市民が最も嫌った建物の石、ボテチーノ・クラシコ
ローマ市民がこの建物を「タイプライター」と呼ぶとき、そこに愛情はない。 ピアッツァ・ヴェネツィアに白く輝く巨大建造物、ヴィットリアーノ(ヴィットリオ・エマヌエーレ2世国家記念碑)。 高さ70メートル、幅135メートル。外国人観光客は「ウェディン... -
大理石の物語
【大理石の物語 37】詩人たちが溺れた湾の、黒いネロ・ポルトロという石
その入り江には、「詩人の湾」という名前がついている。 リグーリア海岸、ラ・スペツィア湾の西端。 チンクエ・テッレの南に位置するポルトヴェーネレの岬から、対岸のレリーチまで弧を描く入り江「ゴルフォ・デイ・ポエティ(詩人の湾)」。 ダンテ、ペト... -
大理石の物語
【大理石の物語 36】岩の花が登った山から、グリジオ・カルニコという石
同じ山から、二種類の石が採れる。 ひとつはフィオル・デ・ペスコ・カルニコ「桃の花」という名の淡いグレーピンクの石。 もうひとつはグリジオ・カルニコ「カルニアのグレー」という名の、深い暗灰色に白い脈が走る石だ。 どちらもフリウリ=ヴェネツィア... -
大理石の物語
【大理石の物語 35】ペロタの大学が生んだネロ・マルキーナという黒い石
世界で最も有名な黒い石のひとつに、バスクの小さな町の名前がついている。 ネロ・マルキーナ。イタリア語で「黒いマルキーナ」を意味するこの石の産地は、スペイン北部バスク州ビスカイア県のマルキーナ=シェメイン——ビルバオから東へ約50キロ、ビスカイ... -
大理石の物語
【大理石の物語 34】美しい石の裏側|採石場の危険な現実とは?
美しい大理石 その裏側には、命がけの採石現場があります。 そしてその石は、都市の中で何気なく使われ、私たちの足元に数億年の歴史を残しています。 大理石採石場のドラマ~危険と美の両面 私たちが使う大理石の裏には、 採石職人の危険と技術がある。 ... -
大理石の物語
【大理石の物語 33】タージマハルと、崩れた左右対称
アグラ城、ムサンマン・ブルジュの塔。 晩年のシャー・ジャハーンは、この八角形の小さな塔の窓越しに、来る日も来る日も同じ景色を眺めて過ごした。約2.5キロ先、ヤムナー河の対岸に立つ、白い大理石の墓廟、タージマハル。 彼はもう皇帝ではなかった。16... -
大理石の物語
【大理石の物語 32】ダビデ像は失敗石だった?ミケランジェロの奇跡
ミケランジェロのダビデ像~「失敗石」から生まれた奇跡 古代ギリシャでは大理石に色を与えたが、 ルネサンスではその素材そのものの美しさが追求された。 ダビデ像は、その象徴ともいえる作品である。 ダビデ像は「失敗石」から始まった ルネサンス期を代... -
大理石の物語
【大理石の物語 31】古代ギリシャ彫刻は白じゃない?色の真実
古代ギリシャ彫刻はカラフルだった古代ギリシャの彫刻や神殿は、実は白ではなくカラフルだった。白い大理石の誤解私たちが思い浮かべる古代ギリシャの神殿や彫像は、純白の大理石が輝く荘厳で清廉な世界だ。しかし、これは大きな誤解である。 アテネのパル... -
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【大理石の物語 30】桃の花が咲く、戦場の山から、フィオル・デ・ペスコという石
「桃の花」という名前の石がある。 フィオル・デ・ペスコ・カルニコ。 イタリア語で「カルニア地方の桃の木の花」。 グレーの地色に白、ピンク、アイボリーの脈が複雑に走り、全体として淡い紫がかった霞のような表情を見せるその模様が、春に咲き乱れる桃... -
大理石の物語
【大理石の物語 29】北極圏の山から平和の舞台へ ノルウェジャン・ローズという石
北極圏の北側に、ピンクの山がある。 ノルウェー北部、ノルラン県ファウスケ。 フィヨルドと雪山に囲まれたこの小さな町の山腹から、4億5000万年以上前に生まれた石が今も切り出されている。 ノルウェジャン・ローズ、淡いピンクから深みのあるバラ色まで... -
大理石の物語
【大理石の物語 28】ジュリエットの墓はロッソマニャボスキという赤い石でできていた
「ロッソ・マニャボスキ」という名前を聞いてもピンとこなくても、「ロッソ・ヴェローナ」と言えばわかる人は多いかもしれない。 同じ山の石だ。 ヴェネト州ヴェローナ県ヴァルポリチェッラの山腹から採れる赤い石灰岩は、ロッソ・ヴェローナ、ロッソ・ア... -
大理石の物語
【大理石の物語 27】マフィアの語源が眠る採掘場、ペルラートシチリアという石
床を歩くとき、その石の下に何が眠っているか、考えたことがあるだろうか。 ミラノ中央駅の床材として。 バチカンのサン・ピエトロ大聖堂の一角として。 カサブランカの巨大モスクの内装として。 世界中の豪華な建物を黙って支えるペルラートシチリアは、...