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大理石の物語
【大理石の物語 77】大谷石と、戦争の記憶
1945年7月12日、深夜11時19分。 テニアン島を飛び立ったB-29爆撃機133機が、宇都宮の上空に現れた。 2時間20分にわたって焼夷弾と爆弾が降り注ぎ、市街地の約65%が灰燼に帰した。 死者628名、負傷者約1150名、罹災世帯1万603世帯 北関東最大の都市空襲だっ... -
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【大理石の物語 76】大谷石と、地下に眠る巨大神殿
階段を下りると、別の世界が現れる。 栃木県宇都宮市大谷町。 地上は普通の田舎町だ。 しかし大谷資料館の入口から階段を降りていくと、気温が急に下がる。 夏でも8度前後、真冬の外気のような冷たさが全身を包む。そして目の前に、突然、巨大な空間が広が... -
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【大理石の物語 75】大谷石と、地震に勝ったホテル、フランク・ロイド・ライトと帝国ホテル
1923年9月1日午前11時58分。 東京・日比谷に新しいホテルの開業を祝う人々がいた。 フランク・ロイド・ライト設計の帝国ホテル新館 10年の歳月と数々の困難を経てようやく完成した建物の、まさにその開業日に、マグニチュード7.9の関東大震災が襲った。 東... -
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【大理石の物語 74】ビアンコカララと、石の世界が集まる場所、マルモマック
毎年9月の終わり、ヴェローナに世界が集まる。 ロミオとジュリエットの街(第28話)として知られるこの北イタリアの都市が、4日間だけ「石の世界の首都」になる。 マルモマック(MARMOMAC、正式名称MARMO+MAC)世界最大の石材・石材加工技術の国際見本市だ... -
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【大理石の物語 73】ビアンコカララと、中国という巨大市場
世界で最も多くの建物が建てられている国はどこか。 中国だ。毎年約20億平方メートルの新しい建物が建設される。 世界全体の新築面積の約半分が中国で生まれている。 この桁外れのスケールが、ビアンコカララの市場を根本から変えた。 中国の建設ブームと... -
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【大理石の物語 72】ビアンコカララと、高級ホテルのバスルーム
世界中の高級ホテルのバスルームには、ある共通点がある。 チェックインして部屋に入り、バスルームのドアを開けると白い石が出迎える。 床、壁、洗面台、バスタブの縁。 薄いグレーの脈が静かに走る白い大理石。 そのほとんどがビアンコカララ、またはカ... -
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【大理石の物語 71】ビアンコカララと、現代アートの聖地
「大理石はファシズムの素材だった」 戦後のイタリアでそう言われた時代があった。 ムッソリーニがビアンコカララを宣伝道具に使ったこと(第69話)の反動で、戦後の前衛芸術家たちは大理石を避けた。 コンクリート、鉄、プラスチック、廃材、現代アートは... -
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【大理石の物語 70】ビアンコカララと、廃墟からの復活
1944年7月。カッラーラは解放された。 前話(第69話)で書いたように、カッラーラのパルチザンたちがドイツ占領軍を追い出し、街は自由を取り戻した。 しかし戦争は終わっていなかった。 イタリア全土が廃墟の中にあり、カッラーラも例外ではなかった。 工... -
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【大理石の物語 69】ビアンコカララと、独裁者の野望
カッラーラの白い山から切り出された大きなオベリスク(方尖柱)が、ローマに今も立っている。 高さ約17メートル、重さ推定300トン カッラーラ産としては史上最大の一枚岩から切り出されたこのオベリスクの側面には、大きな文字が刻まれている。 「MVSSOLI... -
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【大理石の物語 68】ビアンコカララと、石が旅した場所
カッラーラの山が削られ続けている(第67話)。では、その石はどこへ行ったのか。 2200年にわたって山から切り出されてきたビアンコカララは、世界中の建物と彫刻に散らばっている。 ローマの凱旋門から、 ロンドンのアーチから、 アメリカの議会議事堂ま... -
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【大理石の物語 67】ビアンコカララと、消えていく白い山
「山は戻ってこない。私たちはアプアンで、そしてどこでも、採掘をやめる」 これはカッラーラのある環境活動家グループのスローガンだ。 世界で最も有名な白い山が今、「山を守れ」という声と「採掘を続けろ」という声の間で、引き裂かれている。 数字が語... -
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【大理石の物語 66】ビアンコカララと、山を削る技術の2000年
石を山から切り出すとはどういうことか。 数トンの岩を、傷つけずに、精密に、急斜面の山腹から切り離し、麓まで運ぶ。 ローマ人がカッラーラで採掘を始めた紀元前1世紀から今日まで、この根本的な問いに対して人類は時代ごとの答えを出し続けてきた。 そ... -
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【大理石の物語 65】ビアンコカララと、ナポレオンの妹エリザ
ナポレオン・ボナパルトには三人の妹がいた。 エリザ、ポーリーヌ、カロリーヌ、三人それぞれが兄の帝国の中で役割を与えられたが、本当の意味で政治的権力を持ったのはエリザだけだった。 ナポレオンは言った。 「私の妹エリザは男のような精神を持ち、強... -
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【大理石の物語 64】ビアンコカララと、ローマを大理石の都に変えた皇帝
「私はローマを煉瓦の都として受け取り、大理石の都として残した」 ローマ皇帝アウグストゥスはそう言い残したとされる。 紀元前27年に即位したアウグストゥスは、ローマを世界の中心にふさわしい都市に作り変えようとした。 神殿、フォルム、記念碑、浴場... -
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【大理石の物語 63】ビアンコカララと、アナキストの食べ物
カッラーラから山道を7キロ登ると、標高700メートルの場所にコロンナータという小さな村がある。 白い大理石の断崖に囲まれたこの村に、世界中の美食家が今日も訪れる目的がある。ラルド・ディ・コロンナータ、豚の背脂を大理石の石桶に漬け込んで熟成させ...